結構賞をとっていますが、映像もよいしなかなか良い作品です。戯作者井上ひさしの小説が原案となっていますが、井上ひさしに対するリスペクトが強く感じられます。芝居を見ているような印象も受けますね。早口の口上、啖呵、江戸言葉や、都々逸、言葉の掛け合い等々、落語好きの自分には抵抗がないのですが、若い人は面食らうかも。逆に新鮮なのでしょうか。ブルーレイには日本語字幕があって、それを見て理解できたという人もいたけど、大方は普通のセリフだから、音・呼吸・雰囲気として感じればいいんじゃないかな。歌舞伎じゃないし。昔、小沢昭一が口上や啖呵売などを集めたレコードを出していたけど、今となっては貴重な音源ですね。ちょと探して聞きたいな。
樹木希林のセリフに「あれは粋じゃなくて婀娜(あだ)だ」とありました。婀娜(あだ)は久しぶりに聞いた。粋も(いき)と(すい)の読み方の違いでニュアンスが違ってくるし、「いき」「意気」でもニュアンスが違う。「いなせ」はちょっと違うかな。日本語は面白いな。